夜学生 八ツ手のように きっぱりと 光太郎が詩(うた)った きびしい冬がきて 君は 白い息を吐きながら 駅にむかう 一分でも早くと 夕暮れの電車に乗る 教室では 時間をダイヤモンドにかえ 耳を開き 目を輝かす 君がいる ノートをとる手には 洗ってもとれない油が しみはじめた 「お帰り 暖めてから おあがり」 深夜に帰る君の為に 電子レンジを買おう 目次へ 次の詩 前の詩